「異世界に転生したらそのへんの石ころだったんだけど」

主人公:
元は30代の男、10年間ニート生活をしていて久しぶりに外出したら事故に遭い、気づいたら異世界に転生していた。
しかし転生後の姿はただのその辺に落ちている石。大きさは手の平に乗る位。
石になった時点で人生達観している。

勇者:
7~8歳くらい。女の子。魔王の娘。
主人公がいい感じの大きさだったので武器として使用している。
めちゃくちゃな性格。

剣士:
7~8歳くらい。男の子。魔王に使える魔物の息子
主人公の勇者ごっこにつきあわされている不憫な男の子1。
おっとりした性格。

賢者:
7~8歳くらい。男の子。魔王に使える魔物の息子
主人公に勇者ごっこにつきあわされている不憫な男の子2。
大人しい性格。


(俺は30歳の元ニート。「違う世界」では10年ニート選手だった)

(しかし親に無理やり外へ連れ出されて当てもなく歩いている所に事故が起きて、気づいたら俺はそう、ここに来ていたんだ)

(どうやら俺は「異世界」に来てしまったらしい。それも転生後の姿は石だ)

(そう、石。石なのだ。)

(どうしてそんな事が解るのかって? それはちょっと前に巻き戻る)

・・・

勇者「ねえ、そっちいいのあったぁ~?」

剣士「うーん、これはどうですか?」

勇者「えー、もうちょっとかっこいいのがいいなぁ!」

賢者「こんなのはどうです?」

勇者「全っ然だめ! もういい、自分で探してくる!」パタパタパタ

剣士「あ! ちょっと! 1人でいかないでください!」

賢者「もう、困った人だなぁ」

・・・

勇者「いい感じの、ないかな~?」

勇者「…あ! これ! これにしよう!」ひょいっ

剣士「あ、ここにいらしたんですか! もう、迷子になったらどうするんですか」

賢者「待ってよ~、おいてかないでよぉ」バタバタ

勇者「ふふん、どうよこれ!」

剣士「石、ですか?」

勇者「大きさも丁度いいし、私の武器これにする!」

賢者「はぁはぁ、早いよ~。あれ? 武器それなんですか? い、石?」

勇者「そうよ! 手で持って丁度いい握りやすさだし、重さもあるし」

剣士「でも勇者の武器って言ったらやっぱり剣じゃないですか? なんで石…」

賢者「そうですよ、せめてこん棒にしましょう」

勇者「いやよ、ゴブリンじゃないんだからこん棒なんて女の子らしくないじゃない」

剣士「石が武器の女の子ってゴブリンよりも凶あ、あいた!」

勇者「ふん! そろそろ行くわよ」

賢者「うわぁ、もう使いこなしてますね、さすがです」

・・・

(という訳なんだ。周りが草に囲まれているし体もなんだか動かせなくて動揺していたら、勇者と呼ばれる少女に拾われたんだ)

(そして少女の他に現れた2人の少年の話しも総合して、ここが「異世界」で、俺が「石」に転生したのだと推測した)

(そして俺は今、勇者と名乗る少女の手の中にいるのだが、やっぱり勇者の武器って剣じゃね?)

(え、なんで石? それとも俺って実は異世界転生モノにありがちな、魔法を秘めた凄い石とかなの? 賢者の石的な? 魔法石とか?)

賢者「その石、本当にただの石ですよね」

勇者「そうよ、魔法の波動も感じないもの」

(あ、そうすか。そうだよね、やっぱね、やっぱそうなるよね、はは)

(というかどこへ向かってるんだろう)

剣士「ねえ、そろそろ戻りましょう。これ以上森の中に入ったらドラゴンがいる洞窟についちゃいますよ」

(ドラゴン!? ちょっと見てみたいんだが)

勇者「別にドラゴンくらい平気よ」

賢者「姫様は平気でも僕たちは平気じゃないんです! ドラゴンなんて、怒らせたら僕らなんか一撃で死んじゃいますよ!」

剣士「そうですよ姫様、もう勇者ごっこはやめて城に戻りましょう。暗くなってきましたし」

(姫様、ってことはこの少女はどっかの国の王女なのか。王女に拾われた石。ううん、どう考えても良い未来が思いつかないぞ)

勇者「うるさいわね、大丈夫だって、言って…」

賢者・剣士「あ、」

(あ、)

ドラゴン「グルルル…」

剣士「ままままずいですよ姫様!!! ドラゴンすっごい怒ってるじゃないですかーーー!!!!」ガクガク

賢者「ももも戻りましょう! 今ならまだ間に合います!!!!」ブルブル

(そそそそうだぞ、早く戻るんだ! じゃないと君らなんてぱくっと丸のみで終わっちゃうんだぞ!!!)

勇者「ドラゴンよ! 私の配下になりなさい!!!」ビシィ!

賢者「うわーーーやっちゃった!!!」

剣士「姫様のばかーーー!!!」

ドラゴン「!!? …ギャー―――スッ!!!!」バサァッ

勇者「えい!!」ポイッ

剣士・賢者「きゃーーーー!!!」

(きゃーーーーー!!!!)

ゴンッ

ドラゴン「ギャッ」パタリ

勇者「ふん、こんなもんよ」

剣士「姫様の投げた石に当たって…」

賢者「ドラゴンが…倒れた…」

(姫様かっこいい!!! じゃなくて!!! 確かに武器にするとか言ってたけどこの子! さっき武器にするとか言ってたけどさ!!!)

(投げたよ!! ドラゴンに!! 運よくドラゴンの頭に当たってドラゴン倒したみたいだけどどうすんだよ!!! 当たらなかったら!!!)

勇者「あ~、遊んでたらお腹すいちゃった。早く帰るわよ」ひょいっ

(あ、ちゃんと持って帰ってくれるんですね姫様)

・・・

(そういう訳で姫様に連れられやってきたのですが)

(姫様って、「魔王」の娘だったのかよ!!!)

(こいつらも魔物の息子かよ!!!!)

魔王「娘よ、今日も沢山遊んできたのか?」

姫様「うん、森にいったらね、ドラゴンが居たからこれを投げて倒したの!」

魔王「これは…! ただの石か」

(ですよねー!)

魔王「森のドラゴンというと、森の守護主の事だな。後で謝りにいかねば…」とほほ

姫様「父様、お腹が空きました、食事にしましょう」

魔王「そうだな、そうしようか」

(魔王も娘に甘いんだな)

(そして月日は流れ、俺は未だに異世界にいる)

(時々姫様が俺を握りしめてドラゴンの所へ行っては戦いを挑んでいる)

(その度にドラゴンはたんこぶを作っている訳だが、わがまま姫の世話も大変だ)

(そして…)

(異世界転生したらそのへんの石ころだったのが最近漬物石に昇格したんだけど)