古の対決!きやがれ勇者め!

パパネロ:
勇者:男

ジラス:
魔王:実は女

王様:
えらい人:男


王様:勇者パパネロよ、これより降りかかるであろう数多の苦難を乗り越え魔王征伐を果たしてきたまえ。

パパネロ:えっ。

王様:この金1000を元手に装備を整えよ。

パパネロ:えあ、はあ。

王様:では報告を楽しみにしておるぞ。

・・・

パパネロ:…うわーゲーセン行ってたら金1000を使い果たしてしまった!! …もう今日は寝よう! むっ何だこのもやもやしたこの…ぎょひーっ!!

・・・

パパネロ:あたた…ここはどこだ。

ジラス:ふははは! よく来たな勇者よ! さあかかって来るが良い!

パパネロ:はい?

ジラス:状況がよく飲み込めていないようだな! 俺がお前をこの魔王城に呼び出したのだ!

パパネロ:ええ?

ジラス:だから俺が魔王でここが魔王城で今から対決をするんだよ。

パパネロ:ええ? 俺死ぬじゃん。

ジラス:何でだ。お前は勇者だろう。

パパネロ:おーれのレベル見ろっての。ほら、1だろ1。新米できたてほやほやちゃんだよ俺?

ジラス:はあ、うわマジだ。何で。

パパネロ:そりゃまあさっき王様に「勇者になんなさいよ」とか言われたばっかだし。

ジラス:王様そんなフランクなの。

パパネロ:いやそりゃ要約してんだよ。本当はもっとこうなんか、生まれながらに偉い感じの喋り方だよ。

ジラス:しっかし、あれー? 俺って結構世界支配してから年月経ってるよね。何で今更勇者の指名をしてるわけ。

パパネロ:知らんよそんなん。俺ん家は地方でのんびり暮らしてたし周りはスライムぐらいしかいないしあいつら近づかなけりゃ何もしてこないし。

ジラス:うわ平和。

パパネロ:たぶんあれっしょ、他のでっかい国とかで指名されてる勇者とかの方がイケイケで強いんじゃないか。

ジラス:うーん、そうか。それもそうだな。国によってそれぞれ勇者って指名するもんなの。

パパネロ:いやだから知らんけど。というか俺を帰してくれないか。今殺してもなんかアレだろ。

ジラス:うーん。

パパネロ:悩んでもいいけど答えは1つだぜ。レベル1の勇者を倒したら部下もなんていうかな。

ジラス:うむむ。

パパネロ:な? 意味ない時間なんだよこれは。さあ俺を転送しな。

ジラス:てかさあ。

パパネロ:ん?

ジラス:お前そんな弱いのに何でそんな偉そうなの。俺と対等な関係ではないだろう。

パパネロ:いやまあ、魔王と勇者の関係って言ったら大体対等だろ。

ジラス:でもほら、見てみ俺のレベル。75ですよ。君の75倍なわけだから超強いわけで、デコピン一発で君はあの世行きだよ。

パパネロ:はーそうですか。まったくこれだから魔王はやだね。強さを誇示してさ。

ジラス:…もしかしてだけど、そんな感じで強気でいけば流れで帰してもらえるとか狙ってる?

パパネロ:ギクーッ!

ジラス:ほら声で「ギクーッ!」とか言ってるし。

パパネロ:はあ? これクセなんですけど。俺の地方ではくしゃみするときに「ギクーッ!」って言うんですけど。

ジラス:それは嘘でしょ?

パパネロ:ギクーッ!

ジラス:まったくもう…というか急に冷や汗かいて足ぶるぶるしてるし…すっごいぶるぶるしてるな。

パパネロ:こここれは俺の家に伝わる病気だよ。ふ、不可抗力なんだよ。

ジラス:スッ

パパネロ:ひぃっ

ジラス:片手を挙げただけでそこまで怯えるか…うーむこりゃ大変だ。

パパネロ:な、何が。

ジラス:そもそも何と言うかお前はあんまり世界を救う気が無いな。

パパネロ:ギクーッ!

ジラス:そのうち他の国の勇者がどうにかしてくれる間に自分は遊びほうけるつもりだったな。

パパネロ:ギクーッ!

ジラス:そんであわよくば勇者という経歴を生かして結構詐欺的な人生を歩もうとしていたのでは。

パパネロ:ギクーッ! きゅーばたん。

ジラス:うわっ失神しちゃった。

・・・

パパネロ:うーん…ここは…町の外れのほこら…? おおっ、あれは夢だったのか!! よかったーマジリアルだった。涙目だし。うわマジよかった。

ジラス:じゃじゃん。

パパネロ:ギョエー!!

ジラス:お前とっさに出る悲鳴が「ギョエー!!」てどこまでひょうきんなんだ。

パパネロ:うわっ。夢じゃなかった。これ夢じゃないの。うわー。

ジラス:とりあえずほれ、装備をやろう。

パパネロ:これは…木でできた剣に布製の服、それからサンダル…ってどういうことよ。

ジラス:お前のレベル的にはこれがいいのよ。

パパネロ:ええこれを装備してどうしろっての。

ジラス:とりあえずそこらのスライムを倒しなさい。

パパネロ:はあ、いや、なんで。

ジラス:うーん、俺さっきさあ、お前を魔王城までワープさせたじゃん。

パパネロ:うん。

ジラス:でその理由考えたんだけど、今んとこお前が唯一の勇者らしいんだわ。

パパネロ:えっ。

ジラス:他の国の勇者はいろんな強い魔物にもうやられてたりしました。

パパネロ:うそ。

ジラス:で勇者の指名しても断る奴ばっかになって、取り合えず軍で魔物から街を守っている状態です。でそれで皆さん現状維持って感じとのこと。

パパネロ:へー。てか指名って断れたのか。

ジラス:まあ時代の流れだね。

パパネロ:で魔王さんは一体何を俺に望んでるの。

ジラス:お前を強靭な勇者にして対決したいなーって。

パパネロ:はあ。えっ? お前が俺を鍛えるわけ?

ジラス:そう。だって勇者君はあれだろ、帰ったらすぐさぼるだろう。

パパネロ:まあそりゃそうだけど、魔王が側にいたら色んな人に文句を言われそう。

ジラス:細かい奴だな。ではこれでどうだ。ボンッ。

パパネロ:うわ魔法使いになった。仲間みたいじゃん。

ジラス:その通り。変化の術も思いのままなんだよ魔王だから。さあまあうだうだ言ってても仕方ないからそこのスライムを倒そう。

パパネロ:よーし、なんだか分からんがやってくるぜ!

・・・

ジラス:今回は例の錬金術師が生み出した禁忌の化け物が相手だ。サポートするぜ。

パパネロ:OK、今回も俺達なら勝てる!

ジラス:…しっかし色んな魔物がいるもんだな。協力せんと倒せないぞこんなの。

パパネロ:それは協力すれば倒せるってこったな。

ジラス:もちろんよ!

パパネロ:いくぜ!

・・・

パパネロ:「勇者パパネロとその従者ジラスに名誉と金1000万を与える」か。

ジラス:こんだけあればうまいもの食えるな。

パパネロ:ああ…てか何だか普通に冒険者のパーティーみたくなっちったね。

ジラス:そだねえ。

パパネロ:まあ今更対決する気ねえもんな。

ジラス:うん、まあ勇者との対決ってのも暇だからやりたかっただけだし、これはこれでいいや。

パパネロ:んじゃまあ、これからもよろしく。

ジラス:あいよー。