お母さんのロボット

うさ太:
お兄ちゃんうさぎ。ちょっと怖がり。ちょっとあまえんぼう。

うさきち:
弟うさぎ。とってもやんちゃ。お兄ちゃんのうさ太が大好き。

お母さん:
ふたりのお母さん。ふたりにロボットを買ってきてくれた。

お父さん:
ふたりのお父さん。なんでも直せる。


あるところに、いつも元気なうさぎの兄弟がいました。

お兄ちゃんうさぎのうさ太はちょっと怖がり。それからちょっとあまえんぼうです。

弟うさぎのうさきちは、とってもやんちゃでお兄ちゃんのうさ太が大好きでした。

どこに行くにもふたりは一緒。とっても仲良しなうさぎの兄弟です。

ある日、お母さんうさぎがお買い物から帰ってくるとこう言いました。

「今日はふたりにプレゼントがあるの。」

買い物かごから出てきたのは、とってもかっこいいロボットのおもちゃでした。

ふたりは、ぴょんぴょん跳ねて大喜び。

「やったあ、お母さんありがとう!」

「ありがとうお母さん!」

でも、ロボットはひとつだけ。

お母さんはしゅんとして言いました。

「おもちゃはひとつしかなかったの。ふたりで仲良く遊べるかしら。」

「うん! ぼくたち仲良くあそべるよ!」

「遊べるよ!」

ふたりはさっそくロボットで遊びました。

ピカピカの新しいおもちゃに、ふたりはとってもごきげんです。

「おにいちゃん。ぼくも遊びたいな。」

「ちょっとまってて。」

おにいちゃんのうさ太は、なかなか貸してくれません。

「でも、お母さんは仲良く遊んでって言ったよ。」

うさ太はしぶしぶおもちゃを貸します。

うさきちは喜んでロボットで遊びました。

「うさ太、もう良いでしょ。」

「まだだよ。おにいちゃんのほうがたくさん遊んでたじゃない!」

ふたりはロボットを取りあって、ケンカをはじめてしまいました。

「おにいちゃんばっかりずるい!」

「はやく貸して!」

そんなときでした。ふたりの手から、ロボットがするり!

「あ!」

ロボットが床に落ちて、ガシャン!

大きな音をたてて壊れてしまいました。

「どうしよう、お母さんが買ってくれたのに。」

「お母さんは仲良く遊んでねって言ったのに。」

ふたりはかなしくなって泣いてしまいました。

お母さんとの約束を守れなかったからです。

「ごめんね、ぼくがおもちゃをひとりじめしたから。」

「ぼくがいじわるしたから壊れちゃったんだ。ごめんね。」

ふたりはわんわん泣いて、仲直り。でもおもちゃは直せません。

「お母さんに謝ろう。」

「そうだ、お母さんにもごめんなさいを言わなくちゃ。」

ふたりは壊れてしまったおもちゃを持って、ふたりはお母さんのところに行きました。

「お母さんごめんね。ぼくたち、お母さんがくれたおもちゃのロボットをこわしちゃったんだ。」

「ごめんね、お母さん。」

お母さんはロボットを見てびっくりしました。

ふたりは、お母さんに怒られると思ってしゅんと耳を垂れさせます。

「ぼくらが仲良くできなくて、壊しちゃったんだ。」

「お母さんとの約束が守れなかったの。ごめんなさい。」

ふたりはそう言うと、お母さんはふたりの頭をなでてにっこりと笑いました。

「ふたりがちゃんとごめんなさいを言ってくれたから、お母さんは嬉しいわ。ロボットはお父さんに直してもらいましょう。」

お母さんはふたりを怒りませんでした。

お母さんの笑顔に、ふたりはまたわんわん泣いてしまいました。

その夜、帰ってきたお父さんにロボットのことを話すと、お父さんはすぐにロボットを直してくれました。

「よーし、これで直ったぞ。」

ロボットをピカピカに戻してくれたお父さんは、ふたりには魔法使いのように見えました。

「お父さん、ありがとう!」

「ありがとう! お父さん!」

それから、ふたりはロボットを取りあってケンカすることはありませんでした。

お母さんからもらった大切な大切なロボットだからです。

どこに行くにもふたりとひとつは一緒。とっても仲良しなうさぎの兄弟です。

おしまい