生きにくい世の中

おっさん:
ハラスメントに不満を持っている

後輩男:
おっさんを慕っている

後輩女子:
天然

後輩女子2:
少し口が悪い

女子客:
ハラスメント系女子

女子客2:
テンプレ系女子


おっさん「げぇっ」

後輩女子「あっ、ゲップハラスメントです。訴えますよー」

おっさん「なんだよ。ただゲップしただけじゃないかよ」

後輩女子「酷い。私は被害者なのに」

後輩女子2「大丈夫。酷いわ。ゲップハラスメントで嫌な思いをさせておきながら、文句を言うなんて最低な男ね」

おっさん「わ、悪かったよ」

後輩女子2「ふんっ!」

・・・

おっさん「今日、飲みに行かないか?」

後輩男「おっ、いいですね。朝まで付き合いますよ」

おっさん「パーッと行くか。パーッと」

後輩男「そうです……ぶぅっ。あっ」

おっさん「お? 屁か? まだまだ若いなぁ。俺なんてなぁこうだぞ。ぶっぶっぶぅうううー」

後輩男「さすが先輩! 年季が入ってますね! 俺も先輩みたいなおならを出せるよう精進します」

おっさん「頑張れ若造」

後輩女子「おならハラスメントです。しかも二回も最悪です」

後輩女子2「何が年季が入ってるよ。私たちの身にもなりなさいよ。……臭い」

おっさん「屁こいたのは悪かったよ。でもよハラスメントはないだろ」

後輩男「そうですよ。皆さんだっておならくらいこくでしょ」

後輩女子2「人前ではしないわよ」

後輩女子「私、おならしません」

後輩女子2「何その裏切り行為」

後輩女子「なんのことですか?」

おっさん「まぁ、頑張れ」

後輩男「ファイトです」

後輩女子2「そんな慰めいらないわよ」

・・・

おっさん「ビール頂戴」

後輩男「僕もビール。あと焼き鳥ください」

おっさん「枝豆も頼もうかな」

店員「かしこまりました」

おっさん「ふぅ。あぁ、気持ちいい」

後輩男「この手拭きってちょうどいい温度ですよね。あぁー極楽極楽」

おっさん「まるで温泉に入ってるみたいだぞ」

後輩男「それぐらい気持ちいいってことです」

女子客「見て、あの人たち手拭きハラスメントよ」

女子客2「止めて欲しいよね。他の客もいるのに。ほんと空気読めって感じ」

おっさん「……」

後輩男「……これもハラスメントになるんですね」

おっさん「ただ顔を拭いただけだ。ハラスメントになってたまるか」

女子客「見て、あの人開き直りハラスメントよ」

女子客2「止めて欲しいよね。いい年こいたおっさんなのに。自分の非を認めろよって感じ」

後輩男「ちょっと君たち、今のは違うでしょ!」

女子客「見て、あの人擁護ハラスメントよ」

女子客2「止めて欲しいよね。火に油を注ぐだけなのに。状況を考えて話せって感じ」

おっさん「……別の店行くか」

後輩男「そうしましょう」

女子客「見て、あの人たち被害者面ハラスメントよ」

女子客2「止めて欲しいよね。被害者はこっちなのに。私たちを悪者にするなよって感じ」

おっさん「……」

後輩男「……」

・・・

おっさん「何だったんだ?」

後輩男「さぁ? もしかしたらハラスメント女子かもしれないですね」

おっさん「ハラスメント女子?」

後輩男「よく言うでしょ。スイーツ女子とか餃子女子とか」

おっさん「あぁ、確かに」

後輩男「ハラスメントって言いたいだけの女子ですよ。擁護ハラスメントとか聞いたことないし」

おっさん「何でもかんでもハラスメントってつければいいってもんじゃないよな。やりにくいったらない」

後輩男「ですよね。僕も普通にしているだけなのにハラスメントだって言われて肩身の狭い思いしてます」

おっさん「昔はハラスメントっていや、セクハラとかパワハラが主だったが。いつからこんなに多様化したんだか。バリエーション増やせばいいってもんじゃないぞ。ったくよ。これじゃ何も出来ないじゃないか」

後輩男「なんか男を排除しようとしているみたいですよね」

おっさん「確かにそんな感じがするな」

後輩男「スメハラとか筆頭ですよね。誰だって臭いはするのに、体臭がキツいだけでハラスメントって言われたら堪ったもんじゃありません」

おっさん「俺なんかスプレーかけられたぞ」

後輩男「先輩もですか? 僕もスプレー、ガンガンかけられました。ある意味トラウマですよ」

おっさん「そのクセ、こっちがハラスメントって言おうもんなら、ぎゃーぎゃー大騒ぎするんだろうな」

後輩男「触らぬ神に祟りなしって言ったところですかね」

おっさん「もうこうなりゃ、女子が寄り付かないところでパーッと飲みまくろうぜ」

後輩男「そうですね。飲みなおしましょ」

・・・

女子客「見て、あの人たち道端ハラスメントよ」

女子客2「止めて欲しいよね。他にも人通るのに。端っこ歩けよって感じ」

おっさん「……」

後輩男「……」

おっさん「いい加減にしろよー。さっきからハラスメントハラスメントって! 俺らは普通に喋っているだけだろうが、ふざけんじゃねえぞ!」

後輩男「そうですよ! ハラスメントしているのはどう考えたってそっちだ! 僕たちを傷つけて何がしたいんですか? そっちがその気なら、とことん戦ってやりますよ」

女子客「見て、あの人たちハラスメントに対して怒っているハラスメントハラスメントよ」

女子客2「止めて欲しいよね。ハラスメントに罪はないのに。ハラスメントに謝れって感じ」

おっさん「……」

後輩男「……」

おっさん「……家で飲むか」

後輩男「……そうしましょう」