子供売店へようこそ

雨野未来:
女性

ダリア:
子供売店で雨野未来に買われる


郵便受けから取ってきたチラシを見る。子供がいれば取りに行かせるのだが、生憎私だけしかいない。

バーゲンセールや宅配ピザなどのチラシだ。小腹が空いたからピザを頼もうかとも思ったが、値段が高いのでやめた。

一枚のチラシに目を留める。

雨野未来「……子供売店? 何これ?」

私はそのチラシをじっくりと見た。

『子供売ります。幼稚園児から高校生までの男女が揃っています。
気に入らなければ返品も可能。代金もお返し致します。
お買いいただけた方には、高級お肉1セットをプレゼント致します。
ご来店をお待ちしております』

高級お肉1セットが欲しい。子供よりも高級お肉1セットの方が魅力だ。

この子供売店なら、高級お肉1セットも子供も両方手に入れられるから一石二鳥だ。

私は早速財布とチラシを手に家を出た。

チラシに書いてある住所を頼りに、子供売店に到着した。

店員「いらっしゃいませ」

女の店員が作り笑いでありきたりな一言を言ってくる。その言葉聞き飽きた。『あなたの満足する商品を必ずお売りします』とかそういうような事を言ってほしい。

男にするべきか、女にするべきか迷う。男だと私の美貌に興奮し、襲ってくる可能性が高い。女だとこの美貌に衝撃を受け、私のことをお姉さまと呼び、慕うかもしれないが、襲われるよりはマシだ。

呼んでくれるかどうかはさておき、お姉さまと呼ばれるのは嫌いじゃない。

幼稚園児と小学生は小さいし、うるさそうなので選択肢から除外する。うるさい奴とテンション高い奴は苦手だし。

中学生か高校生のどちらかだ。中学生だと働きに行けないから、高校生にしよう。バイトなり、就職なりして稼いでもらう。

私は高校生のコーナーに向かった。

どの女子校生にしようかな。順番に見ていくと、女子校生がいた。この子にしよう。

雨野未来「店員さん。この女子校生をください」

店員を呼んで、女子校生に目を向ける。

店員「かしこまりました」

店員は女子校生の手を引き、レジへと連れていく。私もレジに行った。

私は財布から五百万円を取り出し、レジに置いた。

店員「五百万円ちょうどですね。高級お肉1セットです。どうぞ」

店員は五百万円をレジに仕舞い、高級お肉1セットを取り出して、私は受け取った。

店員「お買い上げありがとうございました」

私は左手で高級お肉1セットを持ち、女子校生と手を繋ぎ、家に帰った。

・・・

雨野未来「私は雨野未来。これからよろしく頼むよ」

私はリビングのソファーに座って、自己紹介した。女子校生は隣に座っている、というより座らせた。

ダリア「私はダリアです。今日からは雨野ダリアですね」

かわいらしい声だった。眼つきの悪さからして、もっと低い声かと思っていた。

雨野未来「ダリアには稼いでもらわないといけないし、家事もしてもらわなければいけない」

ダリア「稼ぐ当てはありますし。料理、洗濯、掃除何でも来いですよ、お姉さま」

ダリアは笑う。

雨野未来「当てはあるんだ。そいつはいいや」

私も笑う。するとダリアはほんのり頬を赤らめた。

ダリア「お姉さまはすごくきれいですね。私なんぞ到底適わない美貌です」

雨野未来「そう言ってもらえるなんて嬉しいよ。ダリアを選んで正解だった」

ダリア「私もお姉さまのような美人に選んでもらえて、嬉しいです」

ダリアに高級お肉1セットを使って、料理するように頼んだ。

ダリアが料理をしている間に私はテレビを観て過ごした。

ダリア「お待たせしました、お姉さま」

ダリアは料理をテーブルに並べていく。

雨野未来・ダリア『いただきます』

私とダリアは同時に言う。

雨野未来「おいしいよ、ダリア」

ダリア「腕によりをかけて作ったかいがあります」

ご飯を食べた後はダリアと談笑して過ごし、一緒に寝た。

・・・

ダリア「お姉さま、白ご飯を油で揚げてみました。名称はわかりません」

油で揚げた白ご飯はカリッとしていて、朝食というよりは三時のおやつを食べているような感じだ。

カリカリ感がたまらなくて手を休めることなく、朝食を食べ終えた。

ダリア「ふっふ~ん♪」

ダリアは楽しそうに掃除をしている。鼻歌を歌いながら掃除する人初めて見た。

私がテレビを観ている間にトイレ掃除や洗濯も終わらせていた。

ダリア「お姉さま、ちょっと出かけてきますね」

雨野未来「うん? どこへ行くの?」

ダリア「ええ、今晩の夕食の買い物と、あとこの近所を少し散歩してこようと思ってます。どこにどんなお店があるのか覚えたいですし」

雨野未来「だったら私が案内してあげるわ。一緒に行きましょう」

・・・

店員「いらっしゃいませ。子供売店へようこそ! 幼稚園児から高校生までの男女が揃っていますよ」

客「ではこの男児をください」

店員「今日も商売繁盛だわ」

2300年、少子化が叫ばれだしてから月日が流れ、今では誰も子供を産まなくなってしまった。いや、人は子供を産むということを忘れてしまった。そしてその代わりに人工知能ロボットを『子供』と呼ぶようになり、人類はもうこの世代で滅亡……