変態お嬢様と佐藤くん

一条寺凜々花:
お嬢様の高校生。一途で自分の気持ちを隠さず口に出す。変態。

佐藤くん:
何の変哲もない普通の男子高校生。普通すぎて何も無い。

沙弥:
凜々花の唯一の友達。凜々花が面白すぎて友達になったらしい。まとも。

二ノ宮:
いきなり現れた凜々花のライバル


凜々花「佐藤くぅーん!!」

佐藤「あ…おはよう一条寺さん」

凜々花「今日も顔色が優れませんわね?! 私が保健室まで運んで差し上げましょうか? ハァハァ」

佐藤「息遣いが荒いよ」

凜々花「そうですか?ハァハァ」

佐藤「…。」

凜々花「佐藤くんでは、保健室までご一緒に……はっ?! 殺気!
どりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」

佐藤「うわっ?! 何?! 女の子?!」

女「……」

凜々花「私の佐藤くんにわざとぶつかろうなんて百万年早いですわ!!」

佐藤(一蹴りで吹っ飛んだ…)

凜々花「さぁ、学校へ参りましょう! 佐藤くん!」

佐藤「あ、うん。ありがとう一条寺さん」

凜々花「佐藤くんに感謝されましたわ?! 今日はいい日になるに違いありません!!」

・・・

凜々花「結局佐藤くんを保健室に連れていけませんでしたわ…」

沙弥「当たり前でしょう。あんな鼻息荒い凜々花と一緒にできないわ!!」

凜々花「私は佐藤くんの身を案じてですね…」

沙弥「鼻血も出てたしね…あんたが」

凜々花「想像したら鼻血が出てきてしまいますの…」

沙弥「あんたって…」

男子生徒「おーい!! 佐藤か廊下でバナナの皮を踏んで転んで頭打って気絶したってよ!!」

凜々花「何ですって?! それで私の佐藤くんは何処に?!」

男子生徒「二ノ宮って女子が保健室に運んで……うぉっ?!」

沙弥「走るの速っ……」

凜々花「佐藤くぅぅぅん?!」

二ノ宮「保健室では静かにしなさいって先生に教わらなかったのですか?」

凜々花「あっあなたはっ?! 朝、私の佐藤くんにぶつかろうとした女! 何故私の佐藤くんの手を握って……?!」

二ノ宮「私は貴女みたいに野蛮な支え方ではなく、優しく支えてあげたいの」

凜々花「それは……つまり……」

二ノ宮「私も佐藤くんが好きなの。だからいつも佐藤くんの後ろを見ていた……触れたくてぶつかっていった……けれどいつもいつも貴女が佐藤くん一緒に視界に入りやがって……邪魔をして……」

凜々花(この方……ヤバイ人ですわ!)

二ノ宮「貴女みたいな変態と佐藤くんはつり合わないのよ!」

凜々花(変態に変態と言われてしまいましたわ……)

凜々花「さっきから私の事をボロクソに言いますけど、貴女も立派なストーカーですわよ?!」

二ノ宮「ち、違うわ! 私は佐藤くんを健気に見つめて、背中を追って、佐藤くんの匂いを嗅いで、佐藤くんの落し物は拾って、貰っただけよ!!」

凜々花「や、やはり変態……!!」

沙弥「五十歩百歩ね」

凜々花「沙弥さん!」

沙弥「凜々花が遅いから佐藤くんを襲ってるんじゃないかと心配して来てみたら……とんだ変態ライバル登場したんだね」

二ノ宮「へ、変態ではありません!!」

沙弥「君、隣のクラスの二ノ宮真耶さんよね? 佐藤くんの髪の毛こっそり拾ってたって噂の」

二ノ宮「?!」

沙弥「まあ、凜々花も拾ってるけどね。けど凜々花の方が堂々としている。」

凜々花「私は佐藤くんの細胞を無駄にはしませんのよ」

沙弥「威張るな」

二ノ宮「わ、私だって! 佐藤くんの鼻毛まで無駄にはしない!!」

佐藤「うぅん…ハッ!」

凜々花「ならば、勝負ですわ!!」

二ノ宮「望むところよ!!」

佐藤「どうなっているのコレ…」

沙弥「佐藤くん頑張れ!!」

・・・

凜々花「勝負する事になりましたが先ずはお料理ですか……やった事ありませんわ…そうだ! セバスチャーン!!」

セバスチャン「お呼びでしょうかお嬢様?」

凜々花「私、お料理で勝負することになったのですが何か私が作れる簡単なものはございませんか?」

セバスチャン「お、お嬢様が……り、りりりりり料理を?!?!?!」

凜々花「どうしたのセバスチャン、すごい汗ですわよ?」

セバスチャン「い、いえ、何も……いいのがないか考えてきますね……」

セバスチャン(どうしよう。去年、お嬢様が佐藤様に作った溶かしたチョコを固めただけのバレンタインチョコレートがまるでコンクリート……そんな料理の腕のお嬢様が……り、料理……)
凜々花「頼みましたわよ!」

セバスチャン「あっ……はい……」

セバスチャン(アレでいいか……)

・・・

沙弥「どうー? お料理対決、勝てそう?」

凜々花「えぇ……毎晩頑張って練習していますわ。こう、力加減が上手くいかないのですけど……」

沙弥(力加減?)

佐藤「あ、あの……」

凜々花「佐藤くん! どうかいたしまして?」

佐藤「いや、こないだの保健室での話……一体何の話かわからなくて。」

凜々花「佐藤くんはお気になさらなくていいのですわよ?」

佐藤「で、でも何だか僕が深く関わっているような……」

沙弥「大丈夫だいじょぅーぶ! 佐藤くんは2人が作ったもの食べるだけでいいから! 細かい事は気にしない!」

佐藤「え、えぇ……」

凜々花「佐藤くんの事は私が守って差し上げますからね!」

・・・

二ノ宮「あら、尻尾巻いて逃げ出したかと思ったけれどちゃんと来たのですね」

凜々花「その言葉、そのまま返しますわ!」

沙弥「では、ルールを説明します! 制限時間は30分。作った料理を佐藤くんが食べて美味しかった方が勝利です。」

佐藤「どうしてこうなったんだろう……」

凜々花「負けませんわ!」

二ノ宮「私が勝って佐藤くんと……ふふふふ」

沙弥「始めっっ」

凜々花「まず、ご飯を炊いて……」

二ノ宮「じゃがいもを……」

凜々花「待つ!!」

沙弥「えっ」

凜々花「待つのです!」

二ノ宮「私の圧勝になるわね……」

凜々花「あ、お醤油とバター!」

沙弥(ふ、不安すぎる……!)

沙弥「残り10分!」

凜々花「にぎにぎ……」

二ノ宮「あとは盛り付け!!」

沙弥「終了ーーー!」

凜々花「ぎりぎり間に合いましたわ!」

二ノ宮「完璧よー!」

沙弥「まず、二ノ宮さんが作ったのは……肉じゃが!」

佐藤「いただきます」

二ノ宮「さ、佐藤くん……おいしい?」

佐藤「おいしいよ。二ノ宮さん。」

二ノ宮(は、初めて名前で呼ばれた)

佐藤「料理、上手いんだね」

二ノ宮「あ、ありがとう佐藤くん!」

沙弥「次!! 凜々花!!」

凜々花「はいっ!! さあ、召し上がれ佐藤くん」

佐藤「こ、これは……」

凜々花「焼きおにぎりですわ!」

沙弥・佐藤・二ノ宮(お、おにぎりに見えない)

凜々花「はい、あーん」

佐藤「い、いただきます!」

ボリボリジョリジョリ

凜々花「お、お味は……?」

佐藤「あ、美味しい」ボリボリ

凜々花「練習したかいがありましたわー!」

佐藤「去年のバレンタインチョコレートは歯が折れたけど今回は大丈夫」

沙弥「……さて、結果発表ー!!」

凜々花「ど、どきどきしますわ……」

二ノ宮(私の勝ちは確定よ!)

佐藤「結果はー……」

・・・

沙弥「結局引き分けかー。」

凜々花「うふふ。佐藤くんの優しさが出ましたわね」

二ノ宮「あんな焼きおにぎりに見えない焼きおにぎりと私の肉じゃがが同じ?! ありえない!!」

沙弥「佐藤くんはね、凜々花が頑張ってたのを知ってるから引き分けにしたんだよ?」

凜々花「私がオーブンで火傷した場所を心配してくれました」

二ノ宮「私だって努力して……」

沙弥「だからこその引き分け。でしょ?」

凜々花「私、今回貴女と勝負して楽しかったですし、いいライバルだと思うのですが今後は正々堂々と勝負しませんこと?」

沙弥「いいんじゃない? 変態同士仲良くしたら??」

二ノ宮「変態じゃありません! ……けど、貴女に佐藤くんの落ちた髪の毛は渡さないから!!」

・・・

佐藤「今日もいい天気だなー」

凜々花・二ノ宮「佐藤くぅぅぅーん」

佐藤「……増えた……」

おわり。