魔王、四天王面接に挑む

魔王:
四天王を雇うことにしたらしい。

側近A:
魔王の側近であり面接官。

側近B:
魔王の側近であり面接官その2

受験者:
四天王の面接試験にやってきた就職活動中の魔物達

勇者:
ちょっとだけ登場


魔王「勇者がとうとう誕生したか…」

魔王が人間の世界に降臨してしばらく経過したが、とうとう世界に魔王を倒すとされる勇者が誕生したという知らせが入る。

側近A「今すぐ叩き潰したい所ですが、人間の世界をまだあまり侵略できておりませんからな。」

側近B「人手も不足しておりますし、ここは四天王でも募集されてはどうでしょうか?」

魔王「四天王か……悪くない! 早速魔界で使える奴らを連れて来い!」

側近A「あ、それが最近はちゃんと面接したほうが良いそうですよ?」

魔王「め、面接?」

魔王は知らなかったのだ。四天王は面接で採用しなければならないと言うことを…

側近A「はい、最近は上級の魔物の癖に弱い奴や、こちらと意思疎通ができないのも増えてまして…」

魔王「(魔物のゆとり化か…)どうすればいいのだ…?」

側近B「まずは募集をかけてみましょう。魔界の広告会社に求人を出してきます。」

そして、魔界にこのような広告が出たのである。

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魔王の四天王(正社員)募集!

月給:ゴールドか宝石類か人間か選べます。

採用予定人数:「若干名」

仕事内容:人間界の侵略

応募方法:履歴書と職務経歴書を下記の住所まで郵送願います。その後、対象者には面接の予定日をお知らせします。

履歴書送付先:人間界の魔王城

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数日後…沢山の応募が魔王城にやってきたのであった。

魔王「結構来たな…」

側近A「はい、ただこの時点で既に何人か不採用ですね…」

魔王「駄目な奴がわかるのか?」

側近B「履歴書に誤字・脱字があったり、添え状がついていないのが多いですね。こういう奴は多分手抜かりをしますので駄目です。」

魔王「(実力あれば良いんだけどなぁ…)これはどうなんだ? 活字で手書きじゃないようだが?」

側近A「最近は手書きじゃなくて機械で印刷したのを送ってきた魔物もいますね。でも手書きとか手書きじゃないとかどっちでも良いのですけどね。手書きとか大したプラス点にする価値も今や無いですよ。」

魔王「そういう物なのか…」

側近B「さて、それでは論外な奴は落としましたので、面接する魔物に連絡をしますね。」

魔王「どれぐらい来るんだ?」

側近A「ざっと10名ですかね?」

側近B「書類だけ見て会ってみたいと思えたのはその魔物達ですね。でも書類だけじゃ全て分かりませんし、一度会って見なければ…」

側近A「そうそう、面接では魔王様も一緒にご同席して面接してください。」

魔王「え? 我もか…?」

・・・

そして面接日当日

面接会場は魔王城のホールに机と椅子を並べ、面接者を待っていた。

側近A「それでは最初の方、お入りください」

面接会場に入ってきたのは屈強そうな鬼のような魔物であった。

魔王「(お、コイツ強そうじゃないか?)」

側近B「ではまず名前を名乗りください。」

鬼魔物「はい、名前は鬼魔物と言います。市立魔界大学の3回生です。」

側近A「大学では何を学んでおられますか?」

魔物1「大学では回復魔法を専攻しています」

魔王「(見た目に反して回復系か…)」

側近A「となると特技は回復魔法ですか?」

魔物1「はい、全体回復魔法も使えます。」

・・・

その後、鬼魔物の面接が終わり、鬼魔物は退出していった。

側近A「今の彼は良かったですね。受け答えもハキハキしてましたし。」

側近B「ですね。それにこちらにはない回復魔法持ちですし、採用しても良いかも知れませんね。魔王様はいかがでしたか?」

魔王「あ、ああ…良いのではないか? (回復魔法使う鬼の四天王とか聞いたことねぇよ…)」

・・・

次に入ってきた魔物は悪魔の姿をした魔物であった。

側近A「悪魔さんがお持ちの資格は「魔物語検定二級」とありますね。」

悪魔「はい。あらゆる魔物との対話が可能です。来年は一級を目指して今勉強中です。」

魔王「(勉強家の悪魔…)」

側近B「他にも「中級魔法使用資格準1級」「魔物召喚第二種」をお持ちのようですね。」

魔王「(魔界はいつからそんな資格増えたんだ?)」

・・・

その後、悪魔の面接が終わり、悪魔は退出していった。

側近A「今の彼は中々多芸でしたね、役に立ちそうです。」

側近B「ですね。召喚魔法使える魔物最近少ないですからね~魔王様はいかがでしたか?」

魔王「あ、ああ…良いのではないか? (魔界の資格の内容が良く分からなかった…)」

・・・

次に入ってきた魔物は女性型の魔物であった。

側近A「趣味は毒草の栽培ですか?」

魔物女「はい。主に毒や麻痺等の状態異常を起こす毒草を自宅の庭で育てています。」

魔王「(早い話がガーデニングか…)」

側近B「持ち味は相手をじわじわ追い詰める事とありますが?」

魔物女「そうですね。力が弱いので状態異常などで相手を苦しめて倒すのが得意です。」

・・・

その後、魔物女の面接が終わり、魔物女は退出していった。

側近A「状態異常攻撃持ちもいたほうが良さそうですね。」

側近B「ですね。それに自分の弱点を克服する工夫も素晴らしい。魔王様はいかがでしたか?」

魔王「あ、ああ…良いのではないか? (職場にかわいい子いたら士気上がるしいいか…)」

・・・

次に入ってきた魔物は魔導師風の魔物であった。

魔王「(お、ようやくちょっとは四天王っぽい奴が…)」

側近A「えーと、特技は大斧を振り回す乱舞攻撃ですか?」

魔導師「はい、この大斧で相手を一刀両断します。」

魔王「(って、見た目に反して脳筋なのか…)」

側近B「最近の関心のあるニュースは何ですか?」

魔導師「最近関心を持ったニュースはやはり魔界の大手企業が倒産した一件ですね。おそらく勇者の誕生ショックが原因と見ておりまして…」

魔王「(勇者が魔界の会社を知らない間に一つ潰してた…)」

・・・

その後、魔導師の面接が終わり、魔導師は退出していった。

側近A「やっぱり武闘派はいたほうが良いですよね」

側近B「ですね。それに魔界の動向を詳しくチェックしているのも素晴らしいです。魔王様はいかがでしたか?」

魔王「あ、ああ…良いのではないか? (武闘派で経済に明るいって…)」

・・・

そして、新四天王は以下の4名に決まった!

・回復魔法が使える新卒の鬼

・召喚魔法や資格豊富な悪魔

・趣味はガーデニングの状態異常が得意な魔物女

・大斧使いの経済にも明るい魔導師

魔王「こんな四天王で大丈夫なのか…?」

・・・

その後の彼らの活躍は…

勇者「この鬼! 回復魔法持っててウザい!」

勇者「召喚魔法や中級魔法使いまくってくるとかウザい!」

勇者「状態異常攻撃してきてウザい!」

勇者「大斧の攻撃力が高くてウザい!」

思ったよりも勇者を苦しめたとさ。

END