南国の砂浜にあるおじいさんのカキ氷屋

カキ氷屋売りのおじいさん:
とある南国の砂浜でカキ氷を売っているカキ氷屋のおじいさん。

女の子:
おじいさんのカキ氷が好きで、暑くなるといつも最初に来る。

外国のお客さん:
カキ氷が初めてな男性の外国のお客さん。

日焼けした女性:
かつておじいさんのカキ氷屋に何度か来ていたが、今回久しぶりにやってきた。


そのカキ氷屋がある南国の砂浜はいつでも暖かく、特に夏になるとお客さんが沢山やってくるのです。

おじいさんはその南国の砂浜でカキ氷を作って売っていて、南国の砂浜に来たお客さんは暑さに耐えられずおじいさんのカキ氷を食べにやってきます。

さてさて、今日はどんなお客さんが来るのでしょうか?

おじいさん「早速のお客さんかな?」

おじいさんがカキ氷に使う氷を運んでいると、お店に誰か入ってきていたようです。お客さんは小さな女の子で、おじいさんも良く知っている子でした。

おじいさん「おや、今年も早速来てくれたんだね。一番乗りだよ。」

女の子「私は絶対におじいさんのカキ氷を最初に食べるの!」

女の子の楽しみは夏におじいさんのカキ氷を一番乗りで食べることでした。

おじいさん「シロップは何にする?」

女の子「イチゴ!」

女の子のお気に入りはイチゴのシロップがかかったカキ氷でした。おじいさんは氷を削り、イチゴのシロップを多めにかけてあげました。

おじいさん「お待ちどうさま」

女の子「わぁい!いただきます!」

女の子は勢いよくカキ氷を食べ始めます。

おじいさん「おやおや、そんなに早く食べると…」

女の子「うううう…頭がぁ…」

女の子はカキ氷を勢いよく食べるので、いつも頭にキーンと来ていました。しかし、おじいさんと女の子にとってはそれがお約束だったのです。

そして、次にお店にやってきたのは砂浜にやってきた外国のお客さんでした。

外国のお客さん「スミマセン、ここはどんなお店なのですか?」

外国のお客さんはカキ氷のお店とは知らずに入ってきたようでした。すると女の子が

女の子「ここはカキ氷のお店だよ!」

と元気一杯に答えました。

おじいさん「おや、先に言われてしまいましたね。確かにここは氷を削ってその上にシロップをかけて食べるカキ氷という食べ物のお店です。」

外国のお客さん「氷を削るのか! 暑い時期にはピッタリですね!」

外国のお客さんは初めてのカキ氷に興味深々でした。

外国のお客さん「さっそく一つください!」

おじいさん「かしこまりました、シロップはどうしますか?」

外国のお客さん「シロップはどんなものがありますか?」

女の子「イチゴにレモン!メロンにパイナップルにオレンジ味だよ!」

おじいさん「ははは、また先に言われてしまったね」

外国のお客さん「面白い店員さんだねぇ、じゃあレモンにしようかな。」

おじいさん「かしこまりました、少々お待ちください。」

外国のお客さんのためにおじいさんは氷を削り、レモンのシロップをかけたカキ氷を作ります。

おじいさん「お待たせいたしました。」

外国のお客さん「ほう~これがカキ氷か!」

初めてのカキ氷に外国のお客さんは眼を輝かせます。

外国のお客さん「それじゃあいただきます。」

外国のお客さんはカキ氷をスプーンですくって一口食べます。すると

外国のお客さん「おお! 冷たいけどおいしい!」

外国のお客さんにもおじいさんのカキ氷はとても好評で、外国のお客さんもパクパクとカキ氷を食べ始めますが…

外国のお客さん「う! 頭がぁ…何だこれは…」

女の子「カキ氷を早く食べようとすると頭がキューって痛くなるんだ! しばらくすれば収まるよ!」

外国のお客さん「オオウ…それは先に言ってほしかったなぁ…」

しばらくすると外国のお客さんも頭の痛みが消えて、カキ氷を全て食べてしまいました。お金を払ってにこやかに外国のお客さんはカキ氷屋さんを後にします。そうしているうちにもう一人お客さんがやってきました。

日焼けした女性「久しぶりねーまだやってたんだぁ。」

おじいさんは日焼けした女性を見てすぐに誰かわかったようです。

おじいさん「おお、君はいつも夏に食べにきてくれていたあの…」

日焼けした女性「はい! お久しぶりです、おじいさん!」

この日焼けした女性は昔から夏になるとおじいさんのカキ氷屋に来てカキ氷を食べていた女性でしたが、何年間かある日来なくなっていたのです。

おじいさん「今までどうしていたんだい?」

日焼けした女性「勉強のために遠い国に行っていたの! 今は久しぶりにここに帰ってこれたから、まっ先におじいさんのカキ氷屋に来たのよ!」

おじいさん「そうだったのかい、それじゃあ何にする?」

日焼けした女性「そうね、まだメロン味ある?」

おじいさん「もちろん、メロン味だね。少々待っててくれよ。」

氷を削るおじいさんに女の子は話しかけます。

女の子「おじいさん、あの人は昔よく来てたの?」

おじいさん「ああ、そうだよ。あの子は君のようにいつも夏になると一番に食べにきてくれていたんだ。」

女の子「そうだったんだぁ」

おじいさん「あの子だけじゃないよ。他にも色んな子が食べにきてくれていたが、みんな大人になって色んな所へ行ってしまった。」

女の子「色んな所?」

おじいさん「そうだよ。大人になって遠い国に仕事や勉強をするために行ってしまったんだ。」

女の子「寂しくないの?」

おじいさん「はは、今まで来てくれた子が来なくなるのは確かに寂しいね。けどこうしてまた来てくれた、また戻ってきてくれただけでも嬉しいものなのだよ。」

おじいさんは日焼けした女性に作っていたカキ氷にメロンシロップをかける。それを日焼けした女性に運んで

おじいさん「お待たせ、あの頃と味は一切変わってないよ」

日焼けした女性「やったー! いただきます!」

日焼けした女性は勢いよくカキ氷を食べる、そして

日焼けした女性「うー…頭にキーンときた…」

おじいさん「ははは、やっぱりそうなっちゃってたね。」

・・・

そして、夜が近づいてきたのでお店を閉める準備をするおじいさんですが、そのおじいさんに女の子が質問をします。

女の子「おじいさん、変わる事って悪い事なの?」

おじいさん「変わる事が悪い事…とは限らないと思うけどどうしてだい?」

女の子「私はずっとおじいさんのカキ氷が好きでいたい。けどいつか食べられなくなる時が来るのかなって思っちゃって……」

おじいさん「そうだね、いつかは食べられなくなるかもしれない。私もずっと続ける事はできないだろうから……」

おじいさん「だけど、今日来てくれたあの子のようにカキ氷の味を覚えて戻ってくる子もいる。その時に変わらないカキ氷の味を私はいつでも用意したいんだ。」

女の子「変わらない味?」

おじいさん「そうだよ。変わっていくのも良いけど、変わらない良さというのもあるんだ。」

女の子「私はおじいさんのカキ氷はそのままであってほしい!」

おじいさん「そうだね、そうしていくつもりだよ。」

今まで来てくれたお客さんが見た目等は変わっていても、おじいさんの変わらないカキ氷の味を求めてまたやってきます。

だからおじいさんはこれからも南国の暑い夏でもカキ氷を作り続けるでしょう。