誰が最強?

タロウ、ジロウ、サブロウ:
三人兄弟

ママ:
タロウ、ジロウ、サブロウたちの母


タロウ「ねぇねぇ、ジロウとサブロウ。この世界で一番強い動物って何だと思う? みんなが戦った時に一番強い動物だよ。きっと僕はライオンだと思うなぁ」

ジロウ「う~ん、世界中の動物がみんなで戦った時に最後まで勝ち残りそうな奴だろう? それならライオンも強いと思うけど象には勝てないよ。だって象はライオンの何倍も体が大きいんだぜぃ。どんな動物だって体の大きい象には勝てないんじゃないかなぁ。ねぇ、サブロウはどう思う?」

サブロウ「そうだねぇ、ライオンも象も強いと思うけど、やっぱ最強はサイだよ。だってさ、サイには角があるんだぜ。あんなのに突進されたらライオンなんてイチコロさ」

タロウ「そうかなぁ、ライオンは百獣の王だって言うし、サイや象にも負けないと思うんだけどなぁ」

ジロウ「ダメダメ、百獣の王なんていうけどライオンのオスは狩りをしないみたいだよ。狩りをするのはメスだってさ。きっとライオンのオスは僕たちのパパみたいにゴロゴロ寝てばかりいるんだよ。だから体だってなまっちゃってるよ。たぶんライオンのパパは怠け者なんだよ、パパみたいにさ」

サブロウ「ふふっ、そうかもしれないね。狩りをするのはメスに任せて、お昼寝ばかりしてたりしてね。でもいくらライオンのメスでもサイを狩ることはないんじゃないかなぁ? サイは皮膚だって堅そうだし、足だって速いんだから」

ジロウ「それだったら象だって皮膚は堅そうだぜ。でも足の速さではサイにやライオンには勝てないだろうなぁ。足の速さだけならチーターとかもすごいけど、サイや象には勝てそうにないし」

タロウ「う~ん、じゃあ、サイが最強なのかもしれないね」

サブロウ「たぶんね。あっ、でも海中だったらシャチかも。だってシャチって海のギャングって言うだろ? シャチは頭も良いっていうし、仲間同士で連携して獲物を仕留めるらしいよ」

タロウ「そっか、シャチも強そうだね。あ、だったらサメとかクジラはどうなんだろ?」

ジロウ「海の生物ならシャチやクジラなんかより、毒を持ったクラゲや貝なんかも強そうだぜ」

タロウ「確かに毒を持ってると怖いよね。僕たち人間だって太刀打ちできそうにないや」

サブロウ「それなら蜂とか蛇なんかも強いかもしれないよ。僕、前にミツバチに刺されたことあったけど、ものすごく腫れたし痛かったよ。それに蛇なんてひと噛みで猛獣だって倒せそうだし」

タロウ「じゃあ、やっぱり蛇とかあとサソリとかみたいな毒を持った生物が一番強いのかな」

ジロウ「どうだろうなぁ、毒に耐性を持った動物なら大丈夫だろうし、わかんないや」

サブロウ「そうだね、難しいよねぇ、どれが最強なんだろうねぇ。体が大きい方が強いのか、それとも強力な毒を持っている方が強いのか……」

タロウ「体が大きいだけじゃ強いとは言えないんじゃないかな。だって前に僕テレビでお相撲さん見たことあるけど、小さいお相撲さんが大きいお相撲さんを倒してたよ」

ジロウ「あ、僕もそれ知ってるよ。確か柔よく剛を制すとか言うんだよ。パパが前にそう言ってたよ」

サブロウ「ジロウ、よくそんな難しい言葉覚えてたねぇ、すごいや。それって体の小さい人が大きな人に勝つってことでしょ?」

ジロウ「多分そうだと思うよ。パパに教えてもらったんだよ」

タロウ「じゃあさぁ、体は小さくても強いのはいるってことだよね」

ジロウ「うんうん、だって体が小さい方が動きは素早そうだし、大きさは強さに関係ないんじゃないかなぁ」

サブロウ「でも体の大きさが関係ないなら、どの動物が最強なのか分からなくなっちゃうねぇ」

タロウ「だよねぇ。それに強いお相撲さんだってケガをしたら弱くなることもあるし、象やサイだってケガや病気してたらきっと弱いよ」

ジロウ「ケガや病気しちゃったら可哀そうだねぇ。僕も風邪ひいた時、辛かったもの」

サブロウ「うん、ジロウったら風邪ひいた時泣いてたものねぇ」

タロウ「そうそう、ジロウってば赤ちゃんみたいにママにご飯食べさせてもらってたもんね」

ジロウ「そ、そうだっけ……? でも僕は赤ちゃんじゃないからね」

タロウ「分かってるよ。それに僕も前にこけてヒザから血が出ちゃったとき、泣いちゃったことあったしさ」

サブロウ「ごめんねジロウ。僕だって前に熱があった時、頭からお布団かぶって泣いてたことあったよ」

ジロウ「ふふっ、僕たちみんな泣き虫なんだねぇ。泣き虫のままじゃ僕たちいつまで経っても強くなれないね」

タロウ「そうだね。どの動物が最強か分からないけど、僕たちじゃない事だけは確かだね。僕たちも男なんだからもっと強くならないとね」

サブロウ「うん、ママも男の子は泣いちゃダメって言ってたよ」

ジロウ「よし、じゃあ、今日からはみんな泣かないようにしようよ。それで強くなるんだよ!」

タロウ「うん、そうしよう」

サブロウ「うん、そうしよう」

ママ「タロウ、ジロウ、サブロウ、あなたたち宿題は済んだの? まだでしょ。宿題を終わらせなきゃ夕ご飯は無しよ!」

タロウ、ジロウ、サブロウ「はーいママ」

タロウ「一番強いのはママかもしれないね」

ジロウ「そうかもね」

サブロウ「うん、最強はママだね」

・・・

ママ『まったくあの子たちったらいくら叱っても言うことを聞かないんだから。我が家のチビッ子ギャングたちだわ、ほんとに。とはいえ可愛い笑顔を見せられるとつい許しちゃうのよね。我が家で一番最強なのはあの子たちね』