【GL】人それぞれの愛

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Illustration by うみの


ショウコ(♀):
親友のアキネのことが好き。吹奏楽部。

アキネ(♀):
ショウコの親友、バドミントン部。

タジマ(♀):
吹奏楽部の部長。


部活が終わり、帰路につく、アキネとショウコ。

雑談をしながら歩いている。

アキネ「今日の練習もハードだったー! めっちゃ疲れた!」

ショウコ「バド部は仕方ないよー! 今日はうちもキツかったよー」

アキネ「えぇ? 何したの? フルート吹いてるだけじゃないの?」

ショウコ「ふふふ……(乾いた笑い) 校内を階段も含め10周マラソン」

アキネ「マジで!? 何で!?」

ショウコ「肺活量鍛えるためだって。このまえ新部長決まったじゃん? 調子に乗って練習メニュー増やしてさー。」

アキネ「新部長って、タジマさんだっけ?」

ショウコ「そうそう。まったくさー、生徒会の副会長にもなったし、絶対に就職目当てだよねー。」

アキネ「タジマさん就職なんだ?」

ショウコ「らしいよ? 公務員になりたいって言ってた。」

アキネ「頭いいもんねータジマさん……。」

ショウコ「ついて行けないよあの子には。」

アキネ「あ! 私、このままピアノのレッスン直行だから、今日はこっちの道なんだ! じゃあね!」

ショウコ「あ、うん。バイバイ……。」

アキネ、走っていく。

ショウコ腕時計を見る。

ショウコ「はぁ……今日は、一緒に帰る時間が5分も短くなっちゃった……。でも、保育士の学校に行くんだもんね……。仕方ない。か……。」

・・・

ショウコ、部室でフルートを吹いている。

タジマ、入ってくる。

タジマ「あ、ショウコ。来るの早いね! ホームルーム早く終わったの?」

ショウコ「今日は担任休みー。副担任じゃホームルームも何もないよ。」

タジマ「あの人じゃねえ……。あ! そうそう! 聞いたよー!」

ショウコ「何が?」

タジマ「アキネちゃんいるでしょ? 5組のハシモトに告白されたんだってね! 2人ともルックス良いからお似合いだよねー!」

ショウコ「えっ……アキネが?」

タジマ「そう! ……あれ、ショウコとアキネちゃん仲良いから知ってるかと思ったんだけど……。」

ショウコ「知らないよ……。そんな……。」

タジマ「……ショウコ……ショウコ! ショウコ!!(だんだん大きく)」

ショウコ「……あっ!! な、何!?」

タジマ「何じゃないよ! 練習始めるのに何ボサっとしてんの!?」

ショウコ「あ……ごめん……。」

・・・

ショウコ、アキネ、部活が終わり帰路につく。

アキネ「ショウコ! 聞いて! 今日ね……」

ショウコ「ハシモトに告白されたんでしょ?」

アキネ「なーんだ。知ってたの?」

ショウコ「タジマに聞いたよ。」

アキネ「ウワサ広まっちゃったみたいだね……。でね! 私……」

ショウコ「やめておきなよ。」

アキネ「えっ?」

ショウコ「付き合う気なんでしょ? やめときなよって言ってるの。」

アキネ「ど、どうして!? ハシモトくん、性格いいし格好いいし…」

ショウコ「アキネにはもっといい人がいるよ!! ハシモトなんか合わない!!」

アキネ「ショウコ……? 何、ムキになってるの……?」

ショウコ「あっ……。……ごめん……。」

2人、沈黙。

アキネ「……私、ちょっと用事があるから、先帰るね。」

ショウコ「アキネ!」

アキネ、走って行ってしまう。

・・・

チャイムの音。

ショウコ、アキネのクラスに向かって歩く。

ショウコ「アキネに謝らないと……。いくらなんでも言い過ぎた。仲直りできると良いな……。」

ショウコ「あ……。アキネっっ……」

ショウコ、アキネを見つけるが、ハシモトと幸せそうに談笑しているアキネ。

ショウコ「あ……アキネ、ハシモトと一緒にいてすごく幸せそう……」

ショウコ、少し沈黙の後、走って離れる。

・・・

ショウコ、タジマと部室にいる。

タジマ「あれ、アキネちゃんと帰んないの?」

ショウコ「別に……。」

タジマ「アキネちゃんはハシモトとラブラブだもんねー! 仲間はずれ?(少しからかうように)」

ショウコ「うるさいな!! 何なの!?」

タジマ「あ……ごめん……。ちょっとからかっただけだよ……。ねぇショウコ……。」

ショウコ「何?」

タジマ「違ったらごめんだけど。あんた、もしかしてアキネちゃんのことが好きなの?」

ショウコ「……好きだったら何よ……。気持ち悪いって言うの!? 仕方ないじゃん! 好きなんだから!」

タジマ「やっぱり……。ハシモトに告白されたって話をしたときに怪しいとは思ってたんだ。でも、別に気持ち悪くないよ。」

ショウコ「え?」

タジマ「私も、ずっと前に女の子を好きになったことがあってさ。向こうが私に気がなかったから成就しなかったけどね。アキネちゃん、ハシモトと付き合うことにしたらしいから、もう、恋愛的な意味で接するのはやめたほうがいいと思う。でも、好きでいるのは全然いいと思うんだ。」

ショウコ「タジマ……。」

タジマ「だからさ! もうムキになるのやめなよ!」

ショウコ「ありがと……。」

タジマ「今日は私と帰ろ!」

ショウコ、タジマと歩いていく。

タジマ「ねぇ、今からちょっとウチに寄っていかない?」

ショウコ「え?」

タジマ「私もさ、たぶん似た経験をしてるから……こんなとき誰にも言えないのってツライじゃない? 誰にでも言えることでもないし……。だからさ、思ってること全部吐き出しちゃいなよ。ウチなら多少騒いでも大丈夫だし」

ショウコ「タジマ……ありがとう……」

・・・

ショウコ(モノローグ)「高校を卒業してもう三年近くになる。私とアキネはあの後、再び親友に戻り、高校生活を満喫した。あの日をきっかけに意気投合した私とタジマは高校卒業と同時に付き合い始めた。アキネはハシモトと近いうちに結婚するそうだ。アキネを諦めるのは辛かったけど、タジマと一緒にいて、私は今すごく幸せだ。この幸せが永遠に続いて欲しいと、心からそう思う。」

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