意外すぎる結末

小五郎:
自称探偵

アキラ:
お調子者

ケンイチ:
冷静沈着

ユウカ:
小五郎の彼女

犯人(仮):
小五郎の甥


小五郎「…ということでこの事件の犯人はお前だ」

一同「…え、えっー!」

アキラ「いやいやいや、おかしいって何そのムチャクチャな推理。そもそも推理にも何もなってないよ。ほら犯人だって言われてこの子泣いちゃってるじゃん」

ユウカ「そうよ。犯人を推理するのに消去法って何なのよ。てかそんなの推理じゃないわよ」

ケンイチ「そうだよ。おまけにその消去法ってのもムチャクチャな内容だろ。まずアキラは手が届かないから無理、俺は左利きだから無理、そしてユウカに至っては小五郎の彼女だから信頼してるって?だから俺たち三人は犯人じゃないなんておかしすぎるよ」

アキラ「大体この中で一番背の高い俺が手が届かないから無理だって言うんなら、ユウカもケンイチも手が届かなくなるじゃないか」

ユウカ「本当にそう。悪いけど小五郎、あなたにはがっかりだわ。そ、そりゃ信頼してくれてるのは嬉しいけどさ。でもそれとこれとは別だよ。虫も殺さないような花を愛でる人が実は影で凶悪な犯罪を犯してたなんてこともあるんだし。私だって小五郎にすべてをさらけ出してるわけじゃないわよ」

小五郎「だったら君が犯人なのか?」

ユウカ「ち、違うけど。でもやっぱりこんな犯人の決め方っておかしいわ」

アキラ「そうだよ。もう一度落ち着いてみんなで推理してみようぜ」

ケンイチ「そうだな、それがいい。小五郎だけに任せてはおけない。名は体を現すというが、小五郎に限っては名前負けだな」

小五郎「ちぇっ、なんだよそれ。俺だって好き好んでこんな名前なわけじゃないんだぜ。まぁ、仕方がないな。だったら言うけど誰がこんな高い天井に落書きしたって言うんだ?しかもわけの分からない暗号のような文字。俺たち四人の中にこんなバカなことするやつがいるとは思えないだろ」

ケンイチ「確かにそれも一理ある。こんなことしたって誰も得しないしな。おまけにここは病院だ、普通より天井が高い。だがそれにしたってこの子が犯人なんてのは横暴じゃないのか」

アキラ「そうだぞ。そもそも手が天井に届かないのはこの子だって一緒だ」

ユウカ「ってゆうかこの子が一番犯人から遠いじゃない。ね、ほら泣かないで。小五郎だって本気で言っているんじゃないのよ。ただの冗談なのよ」

小五郎「まぁ確かにお前たちの言うことも分かるが…でも実際問題ここには俺たち五人しかいない。そして幼い頃からずっと友達だった俺たち四人に関してはこんなことする奴がいないってのは確かだろ。それなら残るは後一人しかいない。それに昔から言うじゃないか『あらゆる可能性を消していったら、どんなにありえないことでも最後に残ったものが真実だ』って。ってことで犯人はやっぱりお前だ」

犯人(仮)「おぎゃーおぎゃー」

—ガタガタ

ユウカ「あれ、何これ?地震かな?やっぱ地震は怖いわよね。だって予測できないんだもの。それに…ってそんなことよりありえな~いって!生後五日目の赤ちゃんがあんな高い天井に落書き出来っこない」

アキラ「ほんとありえない。大体小五郎、お前の甥っ子だろこの子。そんな可愛い甥っ子をイタズラの犯人にしたてあげようとするなんてお前らしくない…いや、お前ならおかしくないか…」

小五郎「可愛いのはそら可愛いさ。何しろ兄貴に出来た待望の赤ちゃんだ。その甥っ子の顔を見ようとお前たちを誘ってここに来たんじゃないか。それなのに天井にこんなわけの分からない落書きがあるんだぜ。何が何でも犯人を見つけたくなるってものじゃないか」

ケンイチ「その気持ちは分かる。だがその犯人が生後間もない赤ちゃんってのがおかしいんだ」

ユウカ「そうよ。きっとこれは神様からの祝福のメッセージなんだわ。だからこのわけの分からない暗号らしきものもきっとあの世の文字なんだわ。っていうかもうそれでいいじゃない。犯人なんて元々いなかったのよ。何かのすごーい偶然が重なって天井の落書きっぽくなっちゃっただけなんだわ。そうよ…きっと、そうよ…」

犯人(仮)「おぎゃーおぎゃー(まったく何ごちゃごちゃ言ってるんだか。うるさいなぁ。そろそろ眠たくなってきたのにうるさくて眠れやしない)」

—ガチャーン

ユウカ「あらあら、風かな?花瓶が落ちちゃったねぇ。ビックリしちゃったねぇ。ほーら泣かないで。お腹空いてるの?ママおちょいでちゅねぇ。もうすぐトイレから帰ってきまちゅからねぇ」

犯人「おんぎゃー(退屈だなぁ。また落書きでもするか。天井はもう書くとこないし、今度は壁に)」

—フワッ

アキラ「う、うわっ、な、なんだってー?この子、う、浮いてるぞ!」

ケンイチ「あ、ありえない。こんなことが!?これは夢か幻か?俺は夢を見ているってのか?」

ユウカ「きゃー、なんなのこれ!?私は今一体何を見てるの?あ、赤ちゃんが浮いてるーっ」

小五郎「ほーら見てみろ俺の言ったとおりじゃねえか。『あらゆる可能性を消していったら、どんなにありえないことでも最後に残ったものが真実だ』ってさ」