キセイジジツ:幼なじみの男の子とキス

主人公♀:年齢=彼氏いない歴絶賛更新中
幼馴染♂:主人公とは家が近所で生まれたときからの仲


-もしもし?

-え?声…ああ、オトモダチッスか。ハア、幼なじみですけど

-…すぐ行きます

「おい、ここだ!」

「あーきてくれたんだ?」

「来てくれたんだじゃねえよ、大丈夫なのか?オトモダチが酔って具合悪そうって言ってたぞ」

「違うの、あれ勘違い!全然酔ってないのになんか心配されちゃって。わざわざゴメンね?」

「いいけど、とりあえず車乗れ。」

「ほんとになんともないか?顔赤いけど」

「サワーとカクテル3杯飲んだだけだよ。吐き気とかもないし」

「そっか、じゃあいい」

「遅くに申し訳なかったね。家にいた?」

「ああ。電話の声がお前じゃなかったからすげーびっくりした。」

「や、ほんとにごめんなさい。」

「3杯でも、お前にしては多いんじゃないか。なんかあったのか?」

「うーん、それが今日は女子会だったんだけど皆の恋愛事情とか聞いてたら落ち込んじゃって。それでちょっと飲みすぎちゃったのはあるかも」

「へえ」

「しょーもなくてゴメン。よかったキスのシチュエーションとか、私だけなんにも言えなくて困ったから酔ったふりしてた」

「なにお前、キスもしたことないの?」

「…そんなことない」

「嘘つけ。お前、嘘つくとき絶対目ぇ逸(そ)らすんだからな…図星なんだろ?」

「うぅ…そうだよ!知ってるでしょ彼氏いたことないの」

「そりゃあ知ってるけど、つきあってなくてもキスくらいすることあるだろ?」

「つきあってない人とキスとか考えられないから!」

「いやいやいや、まわりの子に聞いてみ。結構よくあるんだって。キスの相性とかでつきあうか決めたりもするし」

「うわーそういう経験あるんだ、引く」

「ハア?なーにカマトトぶってんだか。それよか今時この年でキスもしたことないようなの、お前くらいじゃねえの。」

「そっ、それは…でもほら、焦ってもしょうがないし、こういうのは時期がくれば」

「そんな悠長なこと言ってて大丈夫なのかよ?まさかキスしたら子供できるとか思ってるわけじゃないんだよな?」

「ちょっと待って私だってそこまでコドモじゃない」

「ふーん。でもマジでしたことないのか?」

「あっ幼稚園の時」

「それ相手俺じゃねえ?」

「そうだったね」

「ガキの頃のは別。しかもあれほっぺただったろ」

「よくおぼえてるね」

「ていうかさ、俺はお前が心配だよ」

「なにが?」

「今キスもまだっていうんなら、つきあったり抱き合ったりもちろんそれ以上とかこれから先何年かかるわけ?」

「うええ、言わないで気にしてるんだから」

「お前のために言ってるんだからな。このままじゃもしかして一生独身とか。俺は悲しいよ。お前さ、別にすっげーブスってわけでもないし性格とかもいいだろ。幼なじみだし、幸せになって欲しいわけ」

「どうもありがとう?なんかすごい心にグサグサくるけど」

「良薬は口に苦しって言うだろ。ここまではっきり言ってくる相手も貴重だと思ってくれ」

「…やっぱり私、このままじゃダメなのかなあ」

「あれだよな?きっかけがないだけっていうか。男慣れしてないのが余計にそういうチャンスを逃してるのかもな」

「それはあるかも。自意識過剰ってのはわかってるんだけどなんかつい構えちゃうんだよね」

「俺が力になってやろうか?」

「えーと?」

「俺とキスしてみる?」

「ん!?」

「こういうのは一回するとはずみがつくものなんだよ。こう見えてうまい方だと思うし優しくするけど」

「うえー気持ちはありがたいんだけど、だけどそれじゃなんか自分のために利用するみたいで気がひけるっていうか」

「遠慮してんのか?じゃあ聞くけどお前ずっとこのままでいいわけ?」

「それは困る、ね」

「だろ?大丈夫だって。俺とお前は幼なじみ。一緒に風呂だって入った仲なんだから今更キスなんて関係ないって」

「そうかなあ」

「そうそう。もちろんファーストキスにカウントしなくていいぜ、これは練習なんだから」

「そ、か。そうだよね」

「覚悟決まったな。ちょっと待って今車停めるから」

「ハァ、緊張してきた」

「女は度胸ってね。じゃあレッスンその1。力抜いて、目は閉じること…ククッなんだよガチガチじゃん、リラックスだって。ほら、こっちにもたれていいから。そう、それでちょっと上向いて。口は開けるか?」

「開けるとかどういうこと?」

「じゃあ今日はいいよ。その2は鼻呼吸な。間違っても息止めるなよ。あ、手をさ、そんなコブシ握りしめてないで俺の背中に回すか肩に置くかして。違うもっとぎゅっと。別に痛くも苦しくもないからもっと力入れろ」

「ハイ…」

「よし、じゃあ最後。いいな、3・2・1…」

「どうだった?」

「ふぇーなんか、ぬるってした」

「ぬるっとしてたってお前それは感想としてどうなんだ?色気のない奴。他に、気持ちよかったとかそういうのないのか」

「舌がしびれた」

「はは、カワイーこと言うのな」

「なんかつかれた。頭がフワフワするー」

「そっか。うん、でもえらかったよ。ちゃんとできたな。細かいことはいろいろあるけど悪くなかったって」

「んー」

「これでさ、覚悟もできたろ」

「うーん」

「もうそのまま寝てれば。着いたら起こしてやるから」

俺とのキス、一回に数えない?
嘘も方便ってやつだよ。理由をつけてみたところで初めての相手が俺だったって事実は変わらない。
ましてやファーストキスは一回きり。お前の初めては俺がいただいたってことだ。
迎えに行ってすぐの時よりよほど赤い耳を見たら、これは脈ありなんじゃないのかって思える。
覚悟してろ、俺はお前を手に入れるためなら…