四つ巴

アキラ:
邪悪なる変態

ユウジ:
親友の頼みを断れないいい人

アスカ:
ユウジに恋心を抱いている可愛い子

ミコト:
女子のリーダー格。クール。


アキラ「ふふん、ここまで来たら大丈夫だろう。さすが俺、やっぱ俺、マジすごいぞ俺」

ユウジ「一人で逃げようとするなよ。オレだっているんだぞ」

アキラ「別に置いていこうとしたわけじゃない。ただ囮にできるなと思っただけだ」

ユウジ「なおさら酷いぞアキラ」

アキラ「まぁまぁ落ち着けよ。無事に逃げられたんだから良しとしようぜ」

ユウジ「仕方ないな。今日は許してやる」

アキラ「さすが俺の親友、懐が広いぜ」

ユウジ「まぁな」

アスカ「何を持って無事とするかだよね」

アキラ「アスカ、なぜここに!」

アスカ「私から逃げられると思う?甘いよ、アキラ、ユウジ。見くびらないで、私の追跡技術は世界一!」

ユウジ「アキラ!ここはオレに任せていけ」

アキラ「ユウジ!だけどそれだとお前が……」

ユウジ「オレたち親友だろ?」

アキラ「恩に着る!」

アスカ「逃がすか!」

ユウジ「おおっと行かせるか!」

アスカ「ユウジ、どうしても邪魔するつもりなの?」

ユウジ「あぁ、親友を見捨てることなんて出来ない」

アスカ「かっこいいよユウジ。……プールの授業を覗かなきゃね!」

ユウジ「発案者はオレじゃない。アキラだ!」

アスカ「親友を売る気?」

ユウジ「違う。オレの評判に関わる話だ。ここは言っておかないとな」

アスカ「手伝った時点で評判がた落ちだけどね」

ユウジ「……そうなのか?」

アスカ「見た目はクールなのに、意外とバカだよねユウジって」

ユウジ「バカじゃない!確かに賢いとは言えないが、バカではない!」

アスカ「……まっそこがいいんだけど」

ユウジ「ん?何か言ったか?」

アスカ「耳までバカなんだね」

ユウジ「酷いぞアスカ」

アスカ「ごめん」

ユウジ「謝るのなら許す」

アスカ「そう、それは良かった。じゃあ、プールの件謝って」

ユウジ「……ごめんなさい」

アスカ「じゃあ、許す」

ユウジ「助かった。ありがとう」

アスカ「私はだけど」

ユウジ「えっ?」

アスカ「私以外にも女子いたでしょ?他の人は許すかどうかは分からないよ」

ユウジ「あぁ。見つかったらどうなる?」

アスカ「ボコボコにされるかもね」

ユウジ「どうすればいい?」

アスカ「アキラの提案に乗らなかったら良かったんだよ」

ユウジ「親友を一人、死地に送り込むことなどオレにはできない」

アスカ「死地って……まぁ、そこまで間違ってないか」

ユウジ「アキラのやつ大丈夫だろうか」

アスカ「人の心配するより自分の心配したほうがいいよ」

ユウジ「そうだな」

アスカ「仕方ないから私が匿ってあげる」

ユウジ「本当か!助かる」

アスカ「私は許したからね。……それに二人っきりになれるし」

ユウジ「えっ?」

アスカ「ううん、なんでもない。早く行こっ!」

・・・

アキラ「さぁて、どこまで逃げればいいんだか。ユウジは……まっ、アスカだし大丈夫だろう」

ミコト「確かに。二人っきりで仲良く去っていったからね。本当羨ましい限りだね」

アキラ「……この学園の女子は神出鬼没な奴ばかりなのか?」

ミコト「私に聞かれてもなんとも言えないよ」

アキラ「で、俺をどうする?」

ミコト「君はどうしてほしい?」

アキラ「このまま見逃してくれるとありがたい」

ミコト「そうは問屋が卸すまい」

アキラ「だよな。そううまく行くわけないか。ならばっ!」

ミコト「とうっ!」

アキラ「ぐはっ」

ミコト「逃がすわけないだろう」

アキラ「今、モロに入ったぞ」

ミコト「そうなるように蹴ったんだから当然だろう」

アキラ「えげつないことしやがるな」

ミコト「女子のプールの授業を覗いた君にだけは言われたくないセリフだね」

アキラ「おいおい、女子がプールに入ってるんだぜ。覗きたくなるのが男の性ってもんだ」

ミコト「イヤな性だね」

アキラ「それが男というものだ」

ミコト「そうじゃない男もいると思うけどね。例えばユウジくんとか」

アキラ「あぁ。あいつは俺の頼みだから手伝っただけだしな。だからあいつに罰は与えないでやってくれ。責任はすべて俺にあるからな」

ミコト「そういう思いやりがあるんだったら、覗かないという選択肢はなかったのかい?」

アキラ「残念ながら欲望は抑えられない」

ミコト「素直なことで」

アキラ「そうだ。俺は自分に素直な純真無垢な人間なのさ」

ミコト「純真無垢も考えものだね」

アキラ「そうかぁ?ただ覗いただけじゃねえか。それに別に着替えを覗いたわけじゃないんだしセーフだろ?」

ミコト「そういう問題じゃないんだよ。確かに水着は着ていたし、海水浴場なら男女入り乱れているから、格好自体は問題じゃない。けれどここは学校で、あの授業は女子だけ。そこを男子のいやらしい目線で邪魔されたら、気分も悪くなるだろう?」

アキラ「そういうもんか」

ミコト「そういうものだよ」

アキラ「分からないな。俺だったら、むしろ女子に覗いてほしい」

ミコト「変態か君は」

アキラ「何か問題でも?」

ミコト「認めるのかい?」

アキラ「やだなぁ。変態じゃなかったら、そもそも覗かないだろ」

ミコト「それもそうだね。さて変態の君に質問だ」

アキラ「何だ?」

ミコト「私は君を許すと思う?」

アキラ「決まってる。お前は絶対に俺を許さない」

ミコト「ふっ、正解だ。じゃあ行こうか」

アキラ「どこに?」

ミコト「職員室だよ。当然だろ、君はやってはいけないことをしたんだから」

アキラ「ユウジは?」

ミコト「彼は巻き込まれただけだから不問で」

アキラ「ひいきだ。ひいき。覗いたことには変わりないんだぜ?あいつも同罪だろ?」

ミコト「君は友達を売る気か?」

アキラ「友とは俺の身代わりになってくれる存在だ」

ミコト「つくづく最低な人間だね君は」

アキラ「ふふん、どうだすごいだろう」

ミコト「褒めてない、褒めてない」

・・・

アスカ「あの二人、仲良いよね」

ユウジ「そうだな。ベストカップルだと思う」

アスカ「アキラのことむかつかないの?」

ユウジ「あいつはオレの親友だ。本気でそう思ってるわけない」

アスカ「ホントいい人だね。ユウジは」

ユウジ「そうでもない」

アスカ「ふふっ、そういうところだよ」

ユウジ「よく分からんな」

アスカ「ねぇ、私たちはどういう風に見えてると思う?」

ユウジ「……さぁ、ベストカップルじゃないか?」

アスカ「ふふっ、そうだったらいいな」