よくある話の、よくある結末

私:
普通の女子高校生

声:
何の声だか解らないけどでも誰かの声


朝目が覚めたら知らない世界で、勇者になってましたとか言うのは良くある話で、でもって近頃は目が覚めたら魔王になってたってのもレギュラー化してるが。

そして目が覚めたら、真っ暗な中にいたと言うのも無いとは言えない状況なので、現在周囲は真っ暗。

私「ううーーーん、起きた気がしないなあ。でもまだ寝てるってことも無いようだし、でもなあご都合主義よろしくこれであなたは勇者ですとか魔王ですとか言われたら、ちょっと引いちゃうけど。どうすっかなあ、もっかい寝ちゃおうか」

横になろうとして、でもどっちが上でどっちが下かも良く解らない。

私「上下が無いと言うのは、寝ていても起きていても同じなのかなあ。てことは無重力?やばい、確か無重力の中に長くいると身体がむくんで、太っちゃうって聞いたことがあるような無いような。太っちゃったら、どうしよう」

慌てて腕を上げ下げ身体をひねったり、暴れ始める私。

私「にしても夢だとしたらそろそろ目が覚めて欲しいし、夢でないとしたらチュートリアルでも欲しい所なんだけどな」

声「お待たせしました、案内人です」

飛び上がって驚く私、本当に飛んだのかは謎。

私「お、驚かせないでよ。誰なのあんた、もしかして私をここに連れてきた誘拐犯なの?私可愛いから誘拐されちゃったの、でもって売られていくの?何てこと、この可愛さが仇になるなんて」

号泣する私に焦った声が。

声「いやいやいや、そういうのでは無いとは言えないんですが、でも可愛いから誘拐したとかそんなストーカー的な物じゃなくて」

私「・・・・その台詞、マジで言ってる?」

声「へ?ストーカーじゃないって、マジですが」

私「その前(おどろ線目いっぱいの声で)」

声「あーーー、と。可愛いからじゃないってとこですかね」

私「とこですわよ」

声「いやいやいや、そういう意味じゃなくてですね。いや本当に可愛いですよあなた、とっても可愛い」

私「遅いわい、大体この真っ暗な中で見えもしないくせして」

声「いやあ、可愛い人は声も可愛いと決まってますので」

私「あら(ちょっと顔を赤らめる)」

声「(追及逃れられてホッ)」

私「何てこと言ってる場合じゃない、一体何で私をこんなとこに連れてきたのよ」

声「はい、まさにそれを説明しようと。実はですねお願いがあって」

私「常道と言うか、王道だわファンタジーの。で?勇者になるの、それとも魔王?」

声「いやいやいや、そっちは一応間に合ってるんで、お申し出はありがたいんですが」

私「そっか(ちょっと残念)」

声「お願いしたいのはですね、この暗闇なんです」

私「うん、真っ暗だわね」

一応周りを又見回してみる私。

声「こんなことは初めてなんで実際困ってしまって、勇者が魔王の所に行って責任追及したんですが」

私「よくあるパターンよね、で?」

声「魔王の曰く、自分は暗闇恐怖症なんで寝る時も灯りを付けてるのに、こんな真っ暗にするわけはないと」

私「暗いのが嫌いな魔王、王道外れてる」

声「何しろこの暗闇、ろうそくを付けてもランプをともしても、暗いままなんですよ。暗いだけで別に、寒いとかそういったことは無いので問題としては、知らないうちに誰かにぶつかるとか怪我人が絶えなくてですね、医師の所に治療に行っても傷が見えないんで治療のしようも無くて」

私「それは、何ともお気の毒な、としか言いようがないんだけど。それと私が呼ばれちゃった関係は?」

声「神官と巫女たちが祈りに祈った結果、とりあえずこの状態を何とか出来る人を召喚しようと言うことになりまして、祈りに祈った結果あなたが召喚されたわけです」

私「てことは、私じゃなくて他の誰かだってこともあったわけ?」

声「いやいやいや、祈りに祈った結果があなただったので、他の人と言う可能性は無いです」

私「(ちょっと気を良くして)そか、じゃあ何とかしないとね、でもどうすればいいんだろう」

声「ええと、神官と巫女が祈った時に、我らの信奉する神の言われるには、神の力が弱ったせいでのこの暗闇なんだそうで」

私「ここの神様の力が無くなっちゃったてか」

声「まあ少しは残ってるので、お告げがあったわけですが。なのでですね、お願いしたいのは」

私「ちょっと待ってよ、まさか私をいけにえにとか。いやああああああ、私をいけにえにして神の力を取り戻そうとか言うわけ、止めてええええええ」

声「ちゃいますちゃいます、人聞きの悪い事言わんといてください」

必死になだめる声に、何とか冷静さを取り戻した私、しばらく時間経過。

私「じゃあ、何をすれば」

声「一言だけお願いしたいんですよ」

私「何を言えば?」

声「光あれ、と言っていただきたいんです」

私「どっかで聞いたセリフのような、どっかで読んだ記憶があるような無いような」

声「駄目でしょうか?」

私「いや、言うだけならまあ。人助けでもあるし」

声「ありがとうございます、ではお願いします」

私「(咳払いして)光あれ」

いきなり光の戻る世界、真っ暗闇からいきなりでまぶしくて目が開けられないくらい。

声「ああ、ありがたい、光が戻りました」

振り返る私、声の主がちょっといい男なんで目の保養。

私「良かったねえ、では送り返してもらえるかなあ」

声改めいい男「いやいやいや、そういうわけにもいかないんですよ」

私「何ですと?やはりこれは誘拐・・・」

いい男「いやあの言葉を言っていただいて世界に光が戻ったと言うことは」

私「と言うことは?」

いい男「おめでとうございます、あなたがこの世界の新しい神です」

思い出す私、そうだあのセリフあれって、確かどっかの宗教の神様が世界作る時に言ったセリフだ。

私「ちょっと待って、だからと言って私ここで神様なんて」

いい男「早速新しい神殿建てて、お祭りもしなくては」

聞いちゃいねえ、神様やるっきゃないのかただの女子高生の私。

明るさを取り戻した世界でちょっと暗くなってみるも、でも考えてみれば定期試験前のあっちの世界より、ここで神様の方がいいかもと思いなおすのであった。