【シスコン】かわいい妹自慢!

敬太:
妹にデレデレの兄。新聞部次期部長。いつも妹のかわいさを説いている。シスコン

美穂:
敬太の妹。兄と結婚したいと思ってるかわいい女の子。

真紀:
新聞部一年生。しっかり者。敬太への淡い気持ちありだが、シスコンのことで諦め掛けている。

昌江:
新聞部三年生。ときおり部活に顔を出す先輩。おっとりとしているが、言うことはすごい。


美穂「お兄様、私お姫様になりたい」

敬太「んん、ちょっとまってね、みほ。いきなりどうしたんだい?」

美穂「だって、お姫様ってとってもかわいいドレス着てるのよ」

敬太「うぅん、まぁそうだね」

美穂「ねぇねぇ、お兄ちゃんはドレス着たお姫様の美穂がいたら、結婚してくれる?」

敬太「お兄ちゃんはね、ドレス着てなくても、お姫様じゃなくても、お兄ちゃんの妹の美穂のことが好きだよ」

美穂「むぅ、またそうやってはぐらすのぉ!」

敬太「はぐらかしてないよ、ほんとほんと」

美穂「お兄ちゃんなんてなんて――うぅ……」

・・・

敬太「――っていうことがあってさー。もう本当かわいいでしょ!?」

真紀「はいはい、また敬太先輩の妹自慢ですかー?」

昌江「ふふふ、敬太くんは一回り以上年の離れた妹さんがかわいくて仕方ないのよね」

敬太「そうなんですよ、昌江先輩はわかってるな~。真紀ちゃんは美穂のかわいさわかってないんだよ~。ほらほら、写真見せてあげるからさ~」

真紀「あの、美穂ちゃんがかわいいのは知ってます。何度か敬太先輩連れてきてるじゃないですか」

敬太「でしょ! 美穂かわいいよね~!」

真紀「美穂ちゃんがかわいいのは認めます。け・ど、それをいい年した敬太先輩がのろけるのはちょっと、って思います」

敬太「だって美穂がかわいいんだよ、結婚してくれる? って美穂に言われるんだよ!?」

真紀「いいから、サークルなんですから、ちゃんと記事まとめてくださいよ!」

敬太「わかった、やる」

真紀「本当ですか!?」

敬太「写真部から写真を借りてきて美穂特集を作る」

昌江「敬太くん、目が本気ね~」

真紀「え、ちょ。昌江先輩、笑ってないで止めてくださいよ!」

昌江「うふふ~、私はほらもう引退だから、次期部長の敬太くんに権限はあるんじゃないかしら~?」

真紀「部長の敬太先輩がこんなんだから新聞部に新入部員が来ないんですよ! わかってます!?」

敬太「ふんふん~、あ、演劇部に子ども用のドレスとかないかな~。なかったら手芸部に作ってもらったりとか~」

昌江「他の部大迷惑ね」

真紀「そう思うなら止めてください。敬太先輩ならごり押しでやらせますよ、あれ」

昌江「ふふ、なんだかんだで人望があるものね、敬太くん」

真紀「人望……なんでしょうか?」

昌江「あら、だって、真紀ちゃんもその口でしょ?」

真紀「わ、わたしは違いますよ!」

昌江「敬太くんはくったくない表情でお願いしてくるものね~、断りきれないのよね、なかなか」

真紀「うぅ、入部のこと思いださせないでくださいよっ」

昌江「美穂ちゃんに似ているって言われたことかしら?」

真紀「昌江先輩!」

敬太「よーし、真紀ちゃん! さっそく写真部に写真を依頼しに行こう!」

真紀「行きませんよ!」

敬太「えぇ!?」

真紀「そんなに大げさに驚いても行・き・ま・せ・ん」

敬太「なんで!? 美穂のきれいな写真撮るには、やっぱり素人よりちゃんとカメラを扱える人がいいと思うんだよね! あ、そっかプロに頼むべきってことかな、そうするとちょっと……お金が必要になるな」

真紀「そ、そういうことじゃなくてですね」

敬太「昌江先輩、部費とかってもうちょっと出ないですかね~」

昌江「ふふ、実績ないから無理よ」

敬太「そんな~、じゃあここは生徒会長に話をまずしないといけないわけか……」

真紀「あの、敬太先輩!!!」

敬太「え、なに?」

昌江「真紀ちゃんがもうちょっとわたしのこと構ってって」

真紀「そんなこと言ってません!!」

昌江「ふふふ」

真紀「ぐっ、あの敬太先輩。いいんですか?」

敬太「なにが?」

真紀「その、美穂ちゃんのこと記事にして……」

敬太「記事にすれば、みんなが美穂のかわいいところを余すことなく知ってくれる、こんなにすばらしいことはないじゃないかっ!」

真紀「そうですね、敬太先輩が思いを込めて、美穂ちゃんのかわいいところを余すことなく記事にすればそうなりますね」

敬太「そうだろう、やっぱりそうだよな! さあ早く記事にしよう!」

真紀「待ってください。ちゃんとわたしの話を聞いてください」

敬太「真紀ちゃんも……美穂の記事書きたいの?」

真紀「違いますよ! いいから話聞いてください。いいですか、記事にして美穂ちゃんのかわいさが世に出ます」

敬太「うん」

真紀「もしかしたらそのせいでアイドルとかにスカウトされるかもしれません」

敬太「美穂はかわいいから、アイドル姿もきっとかわいいな~」

真紀「いいんですか?」

敬太「え?」

真紀「大多数の人間に美穂ちゃん取られちゃうってことですよ? いまみたいに敬太先輩と会う時間も少なくなるし、もしかしたらそういうところで美穂ちゃん、敬太先輩以上に好きな人、見つけちゃうかも」

敬太「なんだってっ!?」

真紀「だって美穂ちゃんかわいいですし、言い寄るヤカラはきっと後が立ちませんね」

敬太「ぬぬぬぬ」

真紀「敬太先輩がどんなに頑張っても、世にかわいい美穂ちゃんが知られたら、そうなるのも時間の問題ですよね」

敬太「うぅぅぅ」

真紀「それでも本当に美穂ちゃんのかわいさを訴える記事書くんですか?」

敬太「……やめよう」

真紀「そうです、だから美穂ちゃんのためにもちゃんとした記事、書きましょう?」

敬太「わかった」

真紀「でも、個人的に写真部に頼んで写真撮ってもらうのはありじゃないですか? 敬太先輩も欲しいでしょうし」

敬太「そっか! じゃあ写真部に行って来る!」

真紀「いってらっしゃい」

バタン

昌江「……真紀ちゃん、やっぱり敬太くんの扱い上手いわね~」

真紀「昌江先輩もどうにかしてくださいよ、エネルギーすごく使うんですからっ」

昌江「それで、いつ告白するの?」

真紀「うっ、そういうのじゃないです、全然! わたしも美穂ちゃんがかわいいだけですからっ!」

昌江「うふふ、美穂ちゃんモテモテね」

真紀「わたしも取材いってきます!」

バタン

昌江「この部も安泰ね」

昌江は嬉しそうに笑うのだった。